支援アイデア 療育の具体例と対処法

公園から帰りたがらない子どもをスムーズに切り替える方法

公園で楽しく遊んでいる子どもに、「もう帰る時間だから片付けようね」と声をかけると、「いやだ!まだ遊びたい!」と反発。親が片付けを促しても、地面に座り込んだり、遊具にしがみついて動かなくなります。最終的には泣き叫びながら抵抗し、周囲の目も気になり、親が困り果ててしまう場面。このような経験は、多くの親が一度は直面することです。

公園からの帰宅を拒否してぐずるのは、楽しい遊びを中断することへの抵抗感や、次の行動への切り替えが難しいことが原因です。本記事では、この具体例をもとに、ぐずりの対処法や予防策について詳しく解説します。


1. 子どもがぐずる原因を理解する

子どもが公園から帰宅を拒否してぐずる背景には、心理的な要因や発達段階の特徴があります。これらを理解することで、効果的な対応が可能になります。

主な原因

  • 遊びの中断への不満
    公園での遊びが楽しいため、急に中断されると強い不満を感じます。
  • 時間感覚の未熟さ
    子どもは時間の流れを理解するのが難しく、親が「帰る時間」と言っても実感が湧きません。
  • 次の行動への準備不足
    帰宅後の予定や楽しみがイメージできず、帰ることへのモチベーションが湧かない場合があります。
  • 親の急かしがストレスに
    親が急いでいる様子や強い口調で促すことで、子どものストレスが増し、反発につながることがあります。

2. ぐずりへの具体的な対処法

a. 事前に帰宅時間を予告する

突然「帰るよ」と言うのではなく、事前に帰宅時間を伝えることで、子どもが心の準備を整えられるようにします。

  • 時間を具体的に伝える
    「あと10分遊んだら帰るよ」と具体的に知らせます。時間が近づいたら、「あと5分だよ」「そろそろ終わりにしようね」とカウントダウンするのが効果的です。
  • 遊びの区切りを提案する
    「あと1回滑り台をしたら帰ろう」と具体的な行動を提示することで、子どもが切り替えやすくなります。

b. 楽しい切り替えを提案する

帰宅後の楽しみを伝えることで、子どもの気持ちを切り替える工夫をします。

  • 家での楽しみを提案
    「おうちでお絵かきをしようか」「帰ったらアイスクリームが待ってるよ」と、次の楽しみを提案します。
  • 帰り道を楽しいものにする
    「帰り道でどんぐりを探してみよう」「誰が一番早くおうちに帰れるか競争しよう」といった工夫で、移動自体を遊びに変える方法もあります。

c. 子どもの感情に寄り添う

ぐずる子どもの気持ちを受け止め、共感することで、不安や不満を軽減します。

  • 共感する言葉をかける
    「もっと遊びたかったよね」「公園が楽しくて帰りたくない気持ち、わかるよ」と、子どもの感情を代弁します。
  • 落ち着く時間を与える
    子どもが泣き叫んでいる場合は、無理に引っ張らず、落ち着くまで寄り添いましょう。

d. 一緒に片付けをする

遊んでいたおもちゃを一緒に片付けることで、次の行動への切り替えを促します。

  • 片付けを楽しいものにする
    「このおもちゃを誰が一番早く片付けられるかな?」と競争形式にすることで、子どもが積極的に参加します。
  • 役割を与える
    「最後にお砂場の道具をチェックしてくれる?」とお願いする形で協力を促します。

3. ぐずりを予防するための工夫

a. 帰宅ルーティンを作る

公園から帰る際の決まった流れを作ることで、子どもが自然に帰宅を受け入れやすくなります。

  • いつも同じ時間に帰る
    「夕方5時には帰る」と決めておくことで、子どもが次第にその流れに慣れます。
  • 視覚的なサポートを使う
    時計やタイマーを使い、時間が近づいていることを視覚的に伝えます。

b. 公園での遊びに区切りをつける

公園での遊びが終わりを迎えたと子どもが感じられるよう、区切りをつける工夫をします。

  • 特別な最後の遊びをする
    「最後に一緒に砂場でお城を作ろう」と特別な活動を提案し、それが終わったら帰るという流れを作ります。
  • 片付けの時間を楽しいものにする
    片付けながら歌を歌ったり、「どれが早く片付けられるかな」とゲーム感覚で行うことで、子どもが自然に遊びを終わらせられるようにします。

c. 予測可能性を高める

事前に「次の行動」を子どもに伝え、安心感を与えることも有効です。

  • 公園に来る前に帰宅時間を話す
    「今日は夕方5時には帰るよ。そのあと、おうちでご飯を食べようね」と、遊びの始まりの段階で次の予定を伝えます。
  • 「また来られる」ことを伝える
    「明日もまた公園に来ようね」と、次の遊びの機会があることを約束します。

まとめ

公園から帰宅を拒否してぐずる子どもへの対応には、事前予告や切り替えの楽しみを提案することが大切です。また、子どもの感情に寄り添いながら、帰宅後の楽しい予定を伝えることで、次の行動への切り替えをスムーズにすることができます。日常的なルーティンを作ることで、子どもが安心して帰宅に応じられる環境を整えましょう。親子で協力して、楽しい公園遊びの時間を締めくくれるようにしていきましょう。

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